人体デッサンの教室
人体デッサンを学びたいのであれば、私は自己流よりも人体デッサンを教えてくれる教室に通うことをオススメ致します。人体デッサンというのは、デッサンの中でも特に奥が深く、また個人の技量の差も出やすい分野です。静物デッサンならば、方法論をしっかりと頭に入れて数をこなせば誰でも一定期間で上達しますが、人体デッサンというのは、なかなか簡単ではありません。癖が出やすく、形をとるのも、静物デッサンより遥かに難しいですし、人体の解剖学・構造学的な知識も必要になってきます。独学で勉強していては、ある一定レベルで壁にぶつかります。特に人体デッサンが苦手な人は、早い段階で壁にぶつかります。元々センスがあるような人も、壁にぶち当たりやすい分野です。その代わり、人体デッサンというのは個性が出やすく、またデッサンという分野の中でも、とても極め甲斐があり楽しい分野だと私は思います。静物デッサンはつまらないと思うような人でも、人体デッサンは楽しいと感じている人は多いようです。
人体デッサン講座
人体デッサンを教えてくれる講座というのは、美大・芸大受験のための予備校でもありますし、町の小さな画塾なんかでも教えてくれていたりします。また、一部の美術大学では、一般の人向けに10回程度のエクステンション講座を開いてくれている場合もあります。まずは近所でそういった講座を開いているところはないか、調べてみると良いでしょう。私の場合は、社会人になってからは、近所の小さな画塾に通いましたが、受験のための大手予備校よりもはるかにキメの細かい指導をして頂きました。
こういった講座というのは、体験入学が可能になっているケースがかなり多いです。ですから、興味があるところは片っ端から言ってみて、先生の指導が自分にあっているか、通っている生徒にやる気があるか等を吟味して、通ってみるかを決めると良いでしょう。
人体デッサンのモデル
人体デッサンにおいて、必ず用意しなければならないのは、モチーフとなるモデルさんです。モデルさんというのは、やはり生身の人間を、写真ではなく実物を見ながら描く方が、はるかに上達します。この点でも、人体デッサンが独学ではなく、教室等で習ったほうが良い理由となっています。プロのモデルさんから素人のモデルさん、男性、女性、筋肉質なモデルさんから、ふくよかなモデルさん、着衣から裸婦まで、様々なタイプのモデルさんのデッサンを行うと良いでしょう。そういった経験が、人間の特徴となる部分を掴み、何も見ないでも人体をスラスラと描ける能力に繋がるわけです。
また、モデルさんをやりたいという方もおられるかもしれません。それはそれで美術的に意義深いことです。そんな方は、是非とも美大・芸大や、近所の教室に直接赴いてみると良いでしょう。やる気がある方は、歓迎されます。美術を志す人にとって、モデルさんはリスペクトの対象ですし、きっと素晴らしい経験になると思います。また自分が描かれたデッサンを見るのもとても感慨深いものですよ。